サニーサイドアップとは、目玉焼きの焼き方の一種で、片面焼きのこと。両面焼きの場合はターンオーバー(以下TO)と呼ばれる。サニーサイドアップは黄身を潰さず半熟などにしやすいため、食べる人物の好みによって様々な食べ方が出来るため、忙しい上に嗜好が多様化している日本人の間では特に主流となっている。海外のカフェなどでは注文時に焼き具合を注文できる場合が多く、お国柄もあってか一つ一つのオーダーを丁寧に受けるが、日本人は時間に追われている傾向があるためか、我が国では焼き具合の確認などは注文をとらず、一律でサニーサイドアップを供する場合がほとんどである。食べ方の嗜好が特に幅広く、白身をちぎって破った黄身に付けて食べる人、卵かけご飯のようにご飯の上に乗せてからぐちゃぐちゃにかき回す人、黄身と白身を分けて食べる人などまさに千差万別である。使用する調味料だけでも目玉焼きに何を付けるかは永遠の議論でもあり、この嗜好一つで結婚が破局になるといった例も数多い。日本での主流は塩、醤油、ソースが多数派とされるが、胡椒、マヨネーズ、ケチャップ、砂糖、ハバネロソースなどおよそどのような調味料であっても使用される可能性はある。代表的な食事でありながら食生活の差が最も顕著に現われる料理であり、まったく同じ食べ方をする人は多数派であっても五人に一人もいないといわれている。参考までに管理人は白身をちぎって破った黄身に付けて食べる派で、味付けは白身に塩、黄身に貝柱系の中華出汁を少々っていうのがフェイバリットなやや関西風のあっさりタイプ。でもそれ以前に朝食は抜く派なのでそも目玉焼きを年に数回しか食べない。さておき、地域によっても差異が激しいため、唐辛子派が多いとか、味噌付けるのが主流だとかいった地区も少なくない。前出の話題でも述べたが食生活の嗜好の違いは結婚などにおいても大きな障害となる(結婚は出来てもその後が離婚したりと続かなくなるケースが多い)場合がある。数年前にとあるルポライターが行ったアンケート結果では納豆の好き嫌いで喧嘩したことがある夫婦よりも、目玉焼きの食べ方での喧嘩を経験している夫婦の方が3倍近くも多い(約15%:43%)という。これは目玉焼きは誰でも食べるという先入観と、自らの知る常識(食べ方)との差異からくる摩擦が原因で、納豆は元々好き嫌いがある事がわかっているからこそこういった差が生まれたものだと考えられている。ちなみに喧嘩の原因は女性側が男性側の食べ方を否定するケースが8割程度で、かき混ぜるなど崩して食べるのが気に入らない、○○(調味料)をかけるのが信じられない、などといった意見が大部分を占めた。個人や家系ごとの常識が世間での非常識かもしれないし、逆に周囲が非常識なのかもしれない。サニーサイドアップは日本人の「当たり前」と「個性主張」の二つの側面を表した食べる人間をさらけ出す料理なのである。愛を持って恋人・夫婦を受け入れるなら、目玉焼きの食べ方くらい一緒に受け入れるだけの器は欲しいところである。異文化排他主義と食文化についての関係は根が深く、特に同種の食を有する仲間だと思っていたのが異食文化だったと判明した時には裏切りと同様の憎しみを感じるものだといわれている(民族心理総論より)。女性に顕著なのはそも一つの文化において他文化の進入に最も過敏であり、また食という生活の中心にあるからこそ他の食文化を持つ者に対して厳しくなるのではないかと考えられる。にもかかわらず、世界中各国においてサニーサイドアップが存在しているのは理由があり、卵は重要なタンパク源となり栄養価や入手性においてほとんどの国でも(価値に高低差はあるが)昔から食されていること、ならびにTOと違って大きな石や鉄板の上などでも焼ける(専用の調理器具が不要。TOはフライパン等でないと返すのが困難)ことなどがあげられる。過去には南米でも大岩の上で(ダチョウ類の卵で)サニーサイドアップを作ったというニュースもあった。これは味付けなしで食べたという。しかし、日本以外の国では決定的な違いがある。生食文化の普及が一般的ではない国が多い為、地域によってサニーサイドアップではあってもいわゆるハード(固焼き)が多い点だ。日本では嗜好の差程度に見られるが、国によっては不衛生とか気味悪がられる場合もあるので注意しよう。特に東南アジアなどの温暖気候で卵が日持ちしない地域では固焼きが推奨される。食文化と宗教観さえ相互理解が出来れば戦争のない平和な世界が出来るかもしれない。ここを読んでいる皆さんにもそのことを踏まえて、恋人や夫婦が自分と違う食べ方をしていても暖かい心で許容してあげてください。 |